Django’s Guitar Style

トニックの解釈

一般にジャズ・ギターと言えば、maj7やmaj9、7b5、きりがありませんが、5声以上のコードの美味しい構成音をうまく響かせるサウンドが印象的です。そういったスタイルでは、特に、トニック、つまりキーがGならGのコードでは、maj7系のコードを使うことが多いです。

しかし、ジャンゴの時代には、そういったダイアトニックなコード解釈は一般的ではなく、トニックはもっぱら6th系のコードを使いました。ジャンゴの場合は、不自由な指を有効に使うためのギミックで、69thをトニックに使用することが多いです。キーがメジャーの場合はサブドミナント、つまりキーがGならCのコードの時は曲調に合わせて、7th系と6th系を使い分けますが、キーがマイナーの場合は、トニック、サブドミナント共にm6を使いました。

この解釈と前述のケーデンスの解釈で、ほぼジャンゴのコード感覚について理解できると思います。ただし、ケーデンスのコード解釈はソロを弾く時のことであるのに対して、トニック、サブドミナントのコード解釈はリズムギターにおいても行われます。

以下は、ジャンゴのコード・フォームの一例です。(開放弦はミュートします。)

G69 C69 Gm6 C9 D7b9
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