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ジャンゴは、1930 – 50年代にフランスで活躍したジプシー出身のギタリストです。ジプシー音楽では無く、ジャズにおいてギターを花形メロディ楽器として聴衆に認知させたことで有名です。また、本場アメリカからではなく、ヨーロッパから、こういうプレイヤーが出現したのは驚異的でした。ジャンゴと演奏をしたい為に、フランスに渡った本場の有名ジャズマンもたくさんいました。
1910年1月23日、ベルギーに生まれたジャンゴは、ジプシーであるが故に、子どもの時からバンジョーやギターを演奏していましたが、18歳の時に火事で左手の小指・薬指が不自由になったにもかかわらず、音楽への情熱から来たであろう精神力によって、それ以前にも増して素晴らしい演奏をするようになります。1934年に彼が結成したバンド「フランス・ホットクラブ五重奏団」は、後にジャズ・バイオリンの巨匠と呼ばれることになる、ステファン・グラッペリが参加して、当時のジャズ曲や彼のオリジナル曲を演奏しました。ジャンゴは、戦後は電気ギターでビバップぽい演奏をしていましたが、惜しくも1953年5月16日に亡くなりました。ジャンゴの残した録音は千曲近くもあります。 そして、現在でも彼の影響を受けたギタリストが、ジャンルを問わず、多数活躍しています。
現在のジプシージャズを語る場合、ジャンゴ・ラインハルトの残した音楽や彼のギタースタイルを避けて通ることはできません。ジャンゴが1930年代に演奏した音楽がジプシージャズと同義に語られることも多いからです。以下に彼の残した音楽を紹介します。
以上は簡単なジャンゴの紹介ですが、詳しくは、ジャンゴ・ラインハルトの生涯についての拙文が、2002年9月28日えい出版刊の「丸ごと一冊セルマー/マカフェリ」の巻頭4〜7ページに掲載されていますので、更に興味をお持ちの方はご一読ください。
※ジプシーという単語は英語であり、フランスではマヌーシュ、ジタン、シンティなどいろいろな呼び方があります。それらは地域によって区別されているようです。ジプシー自身は自分たちのことをロマと呼びます。また、一般にジプシーという呼び方は蔑称であるとされていますが、ことジャンゴの残した音楽に限っては、Swing With Gypsyのような曲名で分かるように、その呼称を許容しているようです。